2018年5月30日水曜日

「作業日誌」 Beattape #1


割と久しぶりの作業日誌です。今日の作業日誌の曲は、ビートテープシリーズの初めてのビートです。

今回のビートのコンセプトは、「90年代の、あの頃のヒップホップ」で、その時のその音を出しているけど、古く聞こえないように頑張りました。その頃の音のままでサウンドをデザインしたら、最近の基準では古くて息苦しく聞こえるかも知れませんので。では、一緒に聞いてみましょう。


伝統的なヒップホップの語法で作られた曲です。
昔のレコードからサンプルをとってから、そのサンプルを切って、その上にリズムを。そしてブレイクにサンプルのオリジナル曲を少しづつ入るという感じで曲が進行されます。大きな変化とかはないままで進行され、典型的な「イーストコーストスタイルの」ヒップホップです(って私は思います。)

原曲は、僕が好きなチームである「Atlantic Starr」の「Yours Forever」に入ってる「Second to none」という曲です。一緒に聞いてみましょう。


気づいたはずです。この曲のオープニングをサンプリングして曲を作ったんです。では、これから一つづつチェックしましょう。

プロジェットのアレンジヴュー

今回の曲はAbleton Live(エイブルトンライブ)の中で作業が全部終わりました。ビートメイキングからミックス、マスタリングまでライブを通して完了しました。僕のメインソフトはProtoolsですが、サンプリンとビートメイキングの時はエイブルトンの方がずっと便利なので、今回の曲はエイブルトンの中で終わらせることを目指しました。これからも、サンプリングが結構必要な作業はエイブルトンでしようと思います。
Protoolsよりはサウンドが綺麗ではないと思いますが、ビートメイキングの時の便利性は最強だと思います。実は、このブログでエイブルトン講座も進行しようと思いましたが、予想より準備すべきなことが多くて、遅くなっています。いつか必ずします。
でも、この作業日誌を読んでもらって、少しだけでもエイブルトンの魅力を気づいてもらえればいいと思います。

Drumrackに載せられたサンプル
一応、エイブルトンに曲の全体を録音して、オープニングのパートを切ってDrumrackに入れました。エイブルトンは、ボートン押し一回でウェイブを自動的に切ってキーボードに配列してくれる機能がありますが、その機能は使うと自由にサンプルを切ったり長さを調節したりするのができませんので、一つ一つ切って長さを調節する為にDrum Rackに入れまして、そして一つ一つ切りました。苦しい時間でした。(笑)

サンプルをDram rackに入れるのはパスコンでマウスを通してしましたが、サンプルのスタートポイントやエンドポイントを調節するのはPush2を通してしました。Push2に付いてるノッブを回して、結構楽にサンプルの長さが調節できました。MPC3000を使う場合には、ダイヤルが一つしかないので不便ですが(サンプルのスタートポイントを調節することだけでも時間が結構かかりましたね。)このままならPush2が便利すぎでMPC3000には戻れないかもしれません。やば…

サンプルリングをよくなさるミュージシャン達は、是非エイブルトンを試してみてください。今まで色んなソフトウエアのサンプラーをいじってみましたが、今までエイブルトンライブの以上のソフトウェアサンプラーはまだ経験したことありません。実際に、最近のYoutubeとかを確認したら、少なくない数のヒップホップミュージシャン達がMPCの代わりにエイブルトンを使っていることが確認できます。

22個のサンプルがPush2に載せられてるのが確認できます。Push2は同時に64個のサンプルを演奏できるので結構便利です。

その後、Push2をプレイしながら気に入るパータンを作っていきました。Push2の中ではMPC3000みたいに16個のペッドが演奏できますが、Layoutのボートンを押してモードを変え、64個のペッドの全部にサンプルをロードして同時にプレイできるので、サンプリング作業の時はすごく便利です。
MPCシリーズの場合、16個のペッドしかないので、他のバンクに入ってるサンプルを演奏するためにはバンク(Bank)ボートンを押して他のバンクに入るべきです。これが簡単なリズムの作業なら問題ないですが、サンプルの数が増えレバ増えるほど困ります。MPCを使っている方なら納得するはずです。特に60, 2000, 3000の、ヴィンテージのモデルのユーザーさんなら!(ちなみに、私は3000使っています。)

とにかく、望む感じが出てくるまでにずっとペッドを打ちました。この過程には忍耐が必要です。ラッキーでいいパータンをすぐ見つける場合もありますが、数日過ぎてもいいパータン探せずに、結局そのネタを捨てたりする時もあります。(苦笑)今回はいいパータンを割と早く見つけられました。こんなパータンが完成されました。

 
ちょうどいいパータンが出ました。ではこれからここにリズムを入れるべきです。

Drumrackに入っているリズムの素材
今回のコンセプトは「オールドスクールのヒップホップ」なので、素材もヴィンテージのサンプラーのサウンドを選択しました。リズムの素材もやっぱりDrum rackに入れました。ヴィンテージなサウンドだけ入れたら、全体的な雰囲気が重すぎるので、スネアは少し軽いのを選んで、空間感が感じられるように、エイブルトンに入ってるリバーブを適応しました。


エイブルトンのプラグインは結構いいですが、想像よりエイブルトンライブのユーザー達はよく使ってないみたいな感じがします。なぜなら、プラグインのデザインがとこか信用性がなさそうなデザインだからじゃないかなーと思ってます。(笑)
エイブルトンライブを持っている方なら、ぜひプラグインを全部試してみてください。きっと驚くと思います!



リズムのパータンが完成されました。コンセプトがオールドスクールのヒップホップなので、複雑じゃなくて少し素直な(笑)リズムを作りました。むしろテクニック的なリズムとか派手なリズムは、こんな曲にふさわしくないと思います。


その後は、リズムに攻撃的な感じを加えるために、UADのSSL BUS COMPを使いました。パータンを作って聞いてみたら、ポカポカ暖かい感じだったので、ヒップホップのリズムは少し攻撃的な「パンチ感」が出ないとー!って思ってこのプラグインを使いました。ようやく、リズムが完成されました。



もう、ベースだけ作ったら完成です!


ベースは適当にMoogみたいに「すべるような」音を作りました。この風の曲では、ベースが曲の流れを邪魔せずに曲の下半身を守ってくれればそれでいいと思うので、本当に適当に音を作りました。


でも聞いてみたら少し地味です。
ベースが弱い感じがしたので、ここにプラグインを適応してベースのパワーを!


一応UADのRAWを適応してディストーション。


次はUADのLA2Aを通してもっと厚くて太いベースを出しました。下のリンクは、プラグインが適応されたベースです。上のベースと比べながら聞いてみてください。



ようやく、トラックのメイキングが終わりました。完成した曲をExportしたら終わりですが…僕はエイルブルトンで絶対Exportをしません。どんなソフトウェアだってもBounce/Exportしたら音が悪くなります。

リサンプリングで出された最終のウェイブ
そういうわけで、私は実時間にプレイしながら再録音して最終のファイルを出していますが、エイブルトンライブにはResampling(リサンプリング、現在のソフトウエアやハードウェアでプレイしてる音を録音・サンプリングしてくれる機能)機能があるので、すごく便利です。inputのパートでResamplingを選択して録音ボートンを押してプレイしたらそれで終り。リサンプリングを押すとエイブルトンは自動的にレコーディングモニターリングをミュートしてくれるので、本当に便利です。

さあ、2回目の作業日誌が終わりました。いつも通り、聞きたいこととかがあればご自由にコメントとかメールお願いいたします。


作業日誌というカテゴリーでは、私が作った曲を分析することです。曲の一部とか全体を聞きながらどんな機材とか音源が使われたのかを話すコーナーなんです。
私の書きとか音源を何処かにアップするのは自由なんですが、原本の出所を是非表示ください。

そして、私の音楽についてフィードバックとかはいつも歓迎です。ですが、非難するつもりなら自分の音楽を公開して自分の音楽力を証明してから非難してください。ボディービルダーなら自分の筋肉でいうものであり、音楽家なら音楽で話すことだと思うので、自分の音楽を公開せずに非難する方の書きは無視させてもらいます。

作業日誌についてなんか聞きたいこととか、これはもっと説明が聞きたいなぁと思う場合には、いつでも遠慮なくコメントか、右のメールで聞きを通して聞いてください。

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